介護施設におけるBCMとBCPの違いについて説明します。
**BCM(事業継続マネジメント)**は、事業を継続するための「マネジメント」であり、
大規模災害やテロ、感染症などの緊急事態における、ビジネス上の被害を最小限にするための包括的なマネジメント活動を指します1。BCMの取り組みには、BCPの策定や維持・更新に加え、それらを実施するための予算やリソースの確保、取り組みを浸透させるための教育訓練、継続的な改善などの諸活動が含まれます
一方、**BCP(事業継続計画)**は、大規模自然災害やテロ、感染症の発生、サプライチェーンの途絶といった不測の事態においても事業を継続する、もしくは速やかに復旧するための方針や体制、手順を示した具体的な計画のことです1。つまり、BCMはBCPを活用して災害時などに適切に運用できるように、平常時から自社で運用・改善・定着を図る全般的な施策といえます2。
介護施設では、利用者の生活にも直結することから、介護事業者はBCPやBCMの理解を深めて事前に対策を講じておくことが重要です3。令和3年度の介護報酬改定で、介護事業所においてもBCPの策定が義務化されました。加えて、研修や訓練の実施に関するBCMの策定も義務づけられています3。
これらは利用者へのサービス提供を継続することが強く求められる介護業界において非常に重要な取り組みです。
これらの違いについてしっかりと理解しながら、BCM・BCP作成に当たりたいと思います。